★温首相への“靴投げ”事件 中国サイトに非難殺到
中国の国営中央テレビ(CCTV)は、英国で行われた温家宝首相の講演を生中継し、聴衆からやじられる様子や靴が投げつけられた音などを放送した。しかし、同テレビのホームページでは講演の動画へのアクセスができない状態が続いている。ほかの中国メディアは3日早朝まで、講演に妨害があったことを全く報じていない。
国営新華社通信は温首相の講演内容を中心とする記事を配信し、「講演終了後、会場は聴衆からの惜しみない拍手に包まれた」と結んでいる。華僑向け通信社、中国新聞社の記事には「我愛宝宝(宝宝は温首相の愛称)」(宝ちゃんが大好き)との中国語スローガンを掲げた英ケンブリッジ大の中国人留学生たちの写真が付けられ、温首相に対する歓迎ぶりが紹介された。各大手ポータルサイトの記事も「温首相が英国名門大学で講演」とのみ伝え、靴を投げつけられたハプニングを黙殺している。
しかし、このニュースに対する書き込み欄には、中央テレビの中継や外国メディアの報道で事件を知った人たちのコメントが殺到している。「温首相の態度は立派だった」「英国紳士のレベルの低さをこれで知ったよ」といった温首相支持、英国批判の反応がほとんどだ。
昨年12月、ブッシュ米大統領(当時)がイラクのバグダッドでの記者会見で靴を投げつけられた際、中国のネットには靴を投げたイラク人記者を絶賛し、英雄扱いする書き込みがあふれたが、今回の反応は正反対。「会場で暴れたやつを中国に引き渡せ」といった意見もあった。
温首相の欧州歴訪は昨年3月のチベット騒乱以後、人権問題で対中批判を強めた欧州との関係を修復し、中欧接近をアピールすることが狙いの一つだったが、今回の事件により中国国内で対英批判が起きる可能性がある。
※産経新聞より引用
★ニコニコ動画とテレビ局が探る連携の道
「ニコニコ動画」とテレビの連携の可能性を探るべく、神奈川県のローカル局・テレビ神奈川(tvk)が昨年12月、「ニコバンYME」という番組をスタートした。番組をニコ動で先行公開し、付いたコメントごとテレビで放送したり、ニコ動で募集した動画をテレビ放送するといった取り組みを行っている。
「すごいパワーだ」。tvkのデジタル事業部長の鈴木邦彦さんは、番組に付いたコメントの量を見て圧倒されたという。著作権への意識や放送禁止用語の有無など、ニコ動とテレビ番組の違いに戸惑い、壁にぶつかることも多いが、「杓子(しゃくし)定規に『テレビでございます』と言っている場合ではない。ニコ動との相互作用を生かさないと」と前向きだ。
●「ニコ動は、テレビ局と共存しないと共倒れ」
ニコ動では、テレビ番組などの無許諾アップロードが問題になってきた。「ニコ動との連携は、放送業界ではタブー視されている面もある」と、ニコ動をtvkに紹介した博報堂DYメディアパートナーズの上路(じょうじ)健介さんは言う。
ニワンゴ社長の杉本誠司さんは「ニコ動は、テレビ局と共存していかないと共倒れになる」と考え、多くのテレビ局と著作権問題で話し合ったり、ニコ動活用を提案してきたという。
“著作権侵害サイト”の汚名を返上しようとニワンゴは昨年、「無断投稿されたテレビ番組をすべて削除する」という内容の申し入れ書をNHKと在京キー局に提出するなど対策に本腰を入れてきた。「テレビ局には『著作権侵害は沈静化できるが、ゼロにはできない。対策の成果が出てきたところでニコ動を場として使ってください』と話してきた」(杉本さん)
テレビ関係者の意識はどうなのだろうか。鈴木さんは、「テレビ局が一番問題視しているのはYouTube」で、ニコ動にはあまり抵抗がない」と話す。「YouTubeも面白いとは思うが著作権の問題で活用は難しい。ニコ動はYouTubeとの対比ととらえており、著作権保護への認識もある」と、鈴木さんはニワンゴの取り組みを評価する。
●インディーズバンド番組で権利問題を回避
鈴木さんがニコ動活用の検討を始めたのは、元岩手放送でネット関連事業を手掛け、現在は博報堂DYメディアパートナーズで放送やネット関連の事業に携わる上路さんからの紹介がきっかけだ。「ニコ動のパワーのすごさを分かってくれるテレビ関係者は、デジタル放送を推進してきた鈴木さんしかいないと思った」と上路さんは振り返る。
鈴木さんは以前から、デジタル放送や携帯電話を生かしたコンテンツ作りに取り組んできた。データ放送で県内全市町村の情報を配信しているほか、携帯電話サイトと連携した番組を早くから実験。ニコバンYMEの前身のインディース音楽番組「YME」(YOKOHAMA MUSIC EXPLORE、毎週土曜日午後11時45分?12時)は、デジタル放送スタートに合わせた実験的な番組として2004年に放送を始めた。
インディーズを取り上げたのは、県内で地道に活動するバンドを応援し、メジャーに育てたいという思いに加え、楽曲の権利処理を考えてのこと。携帯サイトで楽曲をダウンロード配信する際、レコード会社などに所属する前のインディーズなら権利処理が比較的簡便に行えると考えたためだ。
YMEでは、紹介したインディースバンドの楽曲ダウンロードのほか、楽曲のイメージと合う写真を携帯電話から送信してもらい、プロモーションビデオを作るといった試みも行ってきた。
●「ニコ動らしさ」と放送禁止用語の“衝突”
鈴木さんと上路さん、杉本さんで話し合い、YMEでニコ動と連携することが決定。番組名は昨年12月、YMEから「ニコバンYME」に改称し、公式チャンネルも開設し、「ニコニ・コモンズ」で映像や楽曲素材を公開してインディーズバンドのPVを募集したり、スポンサーのアニメ映画「チョコレート・アンダーグラウンド」の予告編を投稿してもらい、番組で放送するという企画を行ってきた。
ニコ動の活用法は、これ以外にもさまざまな可能性を検討した。番組の宣伝や番外編だけを配信するという消極的な使い方も可能だが、杉本さんが「ニコ動の特徴を生かすには、ユーザーに作ってもらうことが重要」と提案し、ユーザー参加型企画を検討した。
ユーザー参加型企画は、放送禁止用語や著作権との兼ね合いが難しい。放送禁止用語を使った作品やコメントは放送できないし、著作権侵害も慎重にチェックする必要がある。当初は番組のCMをユーザーに作ってもらう企画も検討したが「テレビで使えないものが多く投稿されてしまうのでは」と考えて見送った。
実際、投稿された動画は「BGMに映画の音楽が使われており、ユーザーや権利者に確認してやっと公開できた」(上路さん)など、ユーザーが無意識に利用している素材の権利の確認に手間取ったという。投稿数は少なく、「2次創作してくれる人は多くない」(上路さん)という実感もある。
番組は放送後にニコ動でも公開しているが、「テレビではOKだがネットはNGという楽曲素材もあり、ネット公開時に一部の音声を外すなど編集が必要」(鈴木さん)という手間もかかっている。
番組をニコ動で先行公開してコメントを募集し、投稿されたコメント付きでテレビで流す企画では、1万以上のコメントが集まった。当初は「放送禁止用語など挑戦的なコメントも多かった」(上路さん)が、徐々に減っていったという。
杉本さんは「ニコニコユーザーはテレビを見る習慣のない人が多いのに『コメントがテレビ放送される』と聞くと意識し、モチベーションが上がるユーザーも多いようだ」と指摘する。「そのモチベーションと、テレビを見るという行為が結びつかず、視聴率にはつながらないのが課題」(杉本さん)
その一方で、ローカル局とニコ動は相性がいいと杉本さんは考えている。「地方には面白いコンテンツがあるし、ニコ動はコミュニティー文化で、地方文化もコミュニティー文化だ。tvkの番組をニコ動で配信し、横浜出身で今は横浜に住んでいない人が見ることができれば、ロイヤリティも高まるだろう」(杉本さん)
●「『放送禁止』とか言っている場合じゃない」
権利処理や放送禁止用語の削除といった手間があっても、今後もニコ動を積極的に活用し、ニコ動ユーザーとの相互作用を番組作りに生かしたいという。「ニコ動に乗れば、われわれの地道な取り組みが全国に広がる可能性がある。杓子定規に『テレビでございます』とか『放送禁止』とか言っている場合じゃない」
今後は、インディーズバンドのライブをニコ動で先行配信し、編集したものをテレビで放送したり、生放送を同時にニコ生で配信したり、バンド演奏をニコ動で流し、コメントで好評なものだけをテレビで放送する――といった企画の可能性を検討。番組カラーを明確にし、100以上あるニコ動公式チャンネルに埋もれないような番組作りに取り組んでいく。
※ITmediaニュースより引用